説明できる?のお話

まずはじめに、アイ・エスエスインスティテュート様(https://www.issnet.co.jp)、この度はブログでの掲載を許可してくださり、誠にありがとうございました。

 

今回は、私が去年いただいたアドバイスの中で1番感動したアドバイスについて書きます。

ISS体験授業【翻訳コース】に行った時 のお話。

ISSインスティテュートという、通訳者・翻訳者の育成学校がありまして。そこの翻訳コースの体験授業を受けに行ったんです。その授業中、担当の先生の方が

「全ての単語に文法的説明を付けましょう」っておっしゃったんです。

言われた時、グサっときてしまって。ドキッとしてグサって感じですかね。これまで外国語で書かれたものを読んでいて、「こう言う意味だろうな〜」って状態だったんです。(〜がポイント←)

でも、「こう言う意味だろうな」に至った経緯を説明できるんだろうか?って。

まあ、この一言に「うんうん!ですよね!」って言えない時点で、説明がつけられていないか、それとも文法沁みすぎてそんなん通り越したかの、どっちかなのは明らかなのですが...涙

ハリーポッター

言わずと知れたベストセラー「ハリーポッター」。そのフランス語版の、なぜか3巻目だけ持っているんです。

まだ途中だけども英語で読んだので、フランス語のだってまあ、ざっくり大体の意味はわかる。けどもよ、けども。文法に説明つけられる?って言ったらますます英語以上にできない..😇という自分の不甲斐なさにショックを受けました。しょうがない。事実だ。

というわけで!

体験授業での図星のアドバイスを受けて、

ハリーポッター第3巻「ハリーポッターとアズカバンの囚人(仏)」文法修行一人旅!

 っていうのをここ最近細々とやっております。

まずフランス語版英語版を読みます。そして、少しでも文法で引っかかるところがあったら、下線を引いておきます。そしてある程度の分量を読んだら、振り返りまして、

①ノートにその文を書く

②わかる単語の文法的説明を書く

③わからない、文法的説明ができないところを文法書読んだり、辞書で調べたりして説明を付ける。

1つの句読記号も落とさないつもりで!笑 1つのカンマも、1本のティレもドゥポワンもヴィルギュールも落とさないつもりで!ちなみに、少しでも手を抜こうとすると罪悪感がとてつもないです!笑 

例えば、

 Il aperçu alors le plus extraordinaire balai qu'il éût jamais vu. 

 

出典:J.K.Rowling (1999) Harry Potter and the Prisonner of Azkaban  Bloomsbury Publishing. (Jean-François Ménard(訳)(1999). Harry Potter et Le Prisonnier d'Azkaban Gallimard Jeunesse ) p.58

のこの一文。もう最後のéût jamais vu見て、

「はい!説明できません!!🙌」ってなりました、私。

接続法大過去だけど、なんで接続法大過去が使われてるのかって、そこが私のわからないポイントだったんです。

これは、いくつかある接続法を使う場合の一つに、「先行詞が最上級を伴っている時」っていうのがあるらしくて。

というわけで、本文にはle plusっていう最上級があるので、これはque以下では接続法を使うんだな、ということになります。

でも、どうしてさらに主節の動詞は直接法単純過去三人称単数形で、形容詞節のque以下は接続法の大過去なのか?っていうのが次の問題で。

これは、接続法大過去には、接続法と主節の時制の組み合わせのルールの中に、

主節が過去時制の時、主節の動詞から見てすでに完了した動作または過去のある時までに完了してる動作

出典:目黒士門 (2014)「現代フランス語広文典」白水社 p.283 

を表す働きがあるらしくて。

というわけで最終的に、le plus という最上級表現があるから、この形容詞節の中では接続法を使うことになり、

そこに主節の動詞が単純過去形だから、接続法と直接法の対応が起きる?ので、

私が「説明できません!」となった箇所は、接続法大過去三人称単数形になっている、んだそうです。

 

これ、本当時間かかるんですよ。なかなか進まない。が、これがすごいのなんのて!

いかにルールに則って書かれてるかということと、全てに本当に意味があるっていうことを実感できるんです。

なんというか、なんというかね。

腕の解剖図をみながら、腕とか指を動かしているみたいな感じです。

「いやそりゃ動くだろ。動くし。」から、「ここの筋肉と筋と骨がこうなって!こうだから!はいはいはいはい!グー握れる!すごい!構造に一切無駄が無い!」みたいな。

 

さらに、この方法ってリスニングとかライティングとかにもすごくいい影響あるんじゃないかな、とも思っています。

現にrfiポッドキャストプログラムのJournal en francais facileも、前よりかは摑めるようになったんです..!「テストを受けて点が上がった!」とか人の目に晒せるわかりやすい証拠はないんですが、こう、私個人でひっそりと「おぉ...!」ってなってます。

なんだろうなぁ。お菓子作りみたいな感じなんですかね。一つ一つの材料にきっちり意味があって、役割があって。その順番にも組み合わせにも、全部理由があるところとか、似てるんじゃないかなぁ。

 

というわけで、大変長くなってしまいましたが、ぜひぜひ「文法説明付け」やってみてくださいな!めっちゃ楽しいです!

おしまい❄️