Object Lessonsより: パワードレッッシング!! のお話

土曜日にこんばんは!先日、我ながら上手に土鍋でご飯が炊けました、かつ丼です。

今回は、Object Lessonsさんから初めて記事を紹介させて頂きます http://objectsobjectsobjects.com 。

前回、「なんだか出典元が違うみたいで、確認/申請中です...」とちらっと書いたメディアさんは、こちらだったんです。その後無事紹介申請のお返事がきまして!結果、今後このブログで紹介させて頂けることになりました🙌✨やったー!

Object Lessonsさんは、今日の日常で当たり前というか、身の回りに普通にある色々な物の歴史やそれにまつわるエピソードについての連載です。

というわけで、Object Lessonsより紹介させて頂く記念すべき記事1本目は、Angella D'avignonさん著のこちら↓になります。

www.theatlantic.com

紹介: 

突然ですがね、何度も書いていますが私はスーツ大好きです。海外ドラマの「スーツ」なんて、もう最高。タイトルからしてありがとうです。この記事も「スーツ」を観ながら書いてます。

しかしこの作品、男性キャストのスーツと同じくらい、女性キャストの仕事着の衣装が、もー拝みたくなるくらい素敵なんです。最高の「パワードレッシング」です。

というわけで、今回紹介させて頂いている記事は、19世紀から現代までの女性の服装の変遷についてです。

性別によるカテゴライズ化への反発や、戦争、仕事場から普段着への浸透、社会運動と流行と。タイミングと性別に対する考え方と、様々な要因が絡まったことで変化してきた女性の(特に職場での)服装について書かれたとっても面白い記事ですので、ぜひぜひ読んでみてくださいな:D 

単語のお話:

subversive  adj. (政府や体制などを)転覆させる 破壊活動をする をかき乱す

sensible heels  n. sensible shoesだと「履きやすい靴」の意味なんですけど、heelsだとなんなんだろう?

streamlined  adj. スリム化された 合理化された

garment  n.c. 衣服 

bloomer look  固n. ブルーマールック

go afoul of... 句...と衝突する / ...に絡まる ...に巻き込まれる

thumb one's nose at... 句 ...を軽蔑する を嘲る

rebuff  他動 ...を拒絶する / n.c. 拒絶 (計画の)挫折

bouffant adj. (髪などが)ふっくらした

penny loafer  固n. ペニーローファー

saddle shoes 固n. サドルシューズ

zoot suit 固n. ズートスーツ

lay claim to... 句...を主張/要求する

double entendre n.comp. (正式)意味が二通りにとれる曖昧な語句

fad  n.c. 気まぐれ 物好き (for...の)一時的流行   

fancy n.c. (短期間の気まぐれな)好み 愛好 嗜好

spurn 他動 (正式)...をはねつける 拒絶する

conform to... 句...に従う 準拠する を守る 

fall out of favor 句 人気が落ちる 支持が減る

plaid n.u. 格子じま(の織物)

cornflower blue n. comp. ヤグルマ草の青 紫を帯びた淡い青色

come to the fore 句 表面化する 目立ってくる 問題になる

negate 他動 ...を無効にする 取り消す / ...を否定/否認する

mean business 句 真剣である 真剣に取り組む

prowess n.u. すぐれた能力/技術

パワードレッシングといえば、ペンシルスカートとピンヒールの組み合わせが似合うって、最高ですよね..憧れなんてとっくに通り越して、拝みたい。

って、部屋着用のだるだるのジーンズとメンズのぶかぶかニットを着て書いています。ニットは兄弟が高校時代着てたやつです。完全にどうでもいいリラックスモードです..

パワードレッシングには程遠い😇笑

おしまい❄️

NYTより それがふわふわの小さな手なら? のお話

「おいおいおいおいまじかよ。」

最近これが口癖になりそうなかつ丼です。まったくもう。書きかけのデータは操作ミスで吹っ飛ぶし、読み出した記事がめっちゃ長くて手こずったりやらなんやら。何が何だか!

というのはさておき、気を取り直して今回紹介させていただくのはこちらの記事。Siddharttha Mukherjeeさん著です。

www.nytimes.com

紹介:

海外のあるホスピスに、不思議な猫がいるそうなんです。施設の職員さんに保護され、ホスピスで育ったこの猫。なんでも、もう直ぐ亡くなる人がなぜか分かるそうで。その猫が患者さんのそばに行って丸くなると、その合図だそうです。この不思議な合図があると、患者さんの家族が呼ばれ、そしてやはり患者さんは亡くなってしまうそうなんです。

いったいどうしてこの猫にその時が分かるのか?

今回紹介させていただくこちらの記事、そんな不思議な猫の話から始まり、機械学習による余命の予測について書かれています。

(私は仕組みはさっぱりわからないのですが)ちょくちょくこのブログでも人工知能?とか機械学習ついての記事を紹介させて頂いていますが、今回はそれの「余命」への応用のお話です。

はたして、機械学習による余命の予測とはどういうことなのか?

どうしてそれが可能なのか?方法とは?その謎というか不気味さとは?

そしてなにより、その正確性とは?

非常に考えさせられる興味深い記事ですので、ぜひ読んでみてくださいな。

単語のお話: 

 crane  他動 を伸ばす

impending adj. adj. (危険や好ましくないことなどが)今にも起こりそうな

demise n.u.c. (存在や活動などの)終焉 消滅 終結

inscrutable adj.(正式)(人の表情などが)計り知れない 不可解な 不可思議な なぞめいた

acumen n.u. (正式)鋭さ 鋭敏 (...に対する)眼識 洞察力

corroborate 他動 (正式)(陳述など)を補強する を確証付ける を裏付ける

resect 他動 (医)を切除する

broach 他動 を始めて話題に出す / (法)を抗弁する

demur 自動 (正式)(特に両親の咎めから)意義を唱える 嫌だという

      (objectよりも穏やかで、自信がない反対ってニュアンスだそうです!)

full-on adj. まったくの (人の迷惑になる程)真剣な 熱狂的な

deluge n.c. (比喩的に)洪水 殺到

lesion n.c. (医)(危険な)病変 組織障害 機能障害 外傷 損傷

register 他動 を心に留める

abysmal adj. (文)底しれない 計り知れない 極端な / ひどく悪い 最悪の ひどい

wide-ranging adj. (文)広範囲にわたる

apocryphal adj/ (重要人物に関する話が)不確かな もっともらしい (出典や出所などが)怪しい

どうなんでしょうね。

正確に分かるようになったとして、私だったら機械で余命を算出されることに少し抵抗を感じてしまいます。だって、正しいし。絶対外さない機械に余命を宣告されたら、あとがない気がしてしまうし。

でも、もしそれを宣告するのが、先に書いたような猫だったら?

絶対外れない、それでも猫ならいいかもしれないって思ってしまうのは、どうしてなんでしょうね?どちらも同じく正確なのに、つまるところ能力は一緒なのに、機械と猫なら、猫がいいと思ってしまうのはなぜなんでしょう?

なんなら、たぶん猫は直前になるまで教えてくれないけれども、機械だったら数ヶ月、数年前に教えてくれるんですよ。なのになぜなんだろう。

間をとって(この場合取れるのか疑問ですが)、猫型のロボットだったら?(そういえば、ドラえもんってそうなってしまうのか...!だって、未来から来た猫型ロボットなら、のび太がいつ死ぬか知っているわけで)

うーん。「機械でもかわいければいいのか...?」というとそうでもない気がしますし...優しさとも違う気がしますし...

この場合の機械と猫、何が違うんだろう。明らかに違うけど、何が違うんだろう。

この記事を読んでから、時々このことについてぐるぐるして、もやもやしています。(暇か)生き物は間違えるかもしれないからっていう、少しの期待があるからかな?それとも単なる好みなのか?

読んでくださった方は、どちらがいいですか?そしてそれはなぜですか?

おしまい🐈

 

 

 

WIREDより 南極に吹く風 のお話

こんばんは!

寒い。寒すぎる。手がかじかんで、キーボードを打つのが大変です😇こんな寒い夜なので、寒さに関係した記事を紹介させていただきたいと思います。

片付けずに見て見ぬふりをしてきた紙の山を、やっとこさ片付けだしたところ「あー!この話紹介してなかった!」と、タイミングよく見つけた記事でして← 寒いしちょうどいいや!ということで。ちゃんと片付けします...😇

「The Atlanticはどうした!」というが聞こえてきそうですが、紹介したい記事の掲載元がThe Atlanticではないみたいという事が判明しまして。というわけで、現在確認中なのです...待ってくださっている方いらっしゃったら、もう少しお待ちを...!🙇

というわけで久々にWIREDから、Megan Molteniさんのこちら↓の記事を紹介させていただきます:)

www.wired.com

紹介:

南極。南極の氷が、地球温暖化による気温の上昇で溶け出している、という話をどこかで聞いたことがありますでしょうか?最近、その溶けるスピードが予想していたより遥かに早いということがわかったそうです。

これははたまたなぜなのか?気温が予想以上に上がっているから、というだけなのか?

それが、気温だけが原因ではないみたいなんです。

というわけで、南極の氷が予測以上のスピードで溶け出している「気温以外の」原因とはなんなのか?そして、これから一体どうなってしまうのか?について書かれた大変興味深い記事です。ぜひぜひ元の記事、読んでみてくださいなー!✨

単語のお話:

ice sheet n.comp. (陸を覆う)大氷原 / (南極北極を覆う)氷床 / 大陸氷河

blindingly ad. 疑いの余地なく 全く まばゆいばかりに

churn 自動 (群衆や心などが) 激しく揺れ動く (波や水などが)岸を激しく洗う 泡だつ  

   他動 ..を激しく搔き回す (風や船などが)(波)をわきかえらせる

bathe 他動 (波や海などが)(岸)を洗う

underside n.c. 下側 底面

Totten glacier 固n. トッテン氷河

get a feel for ... 句 ...を感じ取る の感触をつかむ ...の気分を味わう

interface (...の間の)中間面 界面 境界面 共通領域

thermocline 固有n. 温度躍層 水温躍層 サーモクライン

salinity n.u. 塩分 塩度

contoured adj. (土地が)傾斜した

trough n.c. (波と波の間の)くぼみ 谷

bedrock n.u. 〔地〕基岩 (最下層の)岩盤 岩床

interplay n.u. (正式) 相互作用 交錯

projection n.c. (将来のことの)推定 見積もり 計画 立案

dynamic n.u. (拮抗する力などの)動態 ダイナミクス

local adj.局地的な 局部の 部分的な 局所の 近くの

非常に大規模な心配ですが、いやはや、どうなるのか地球!

それでも、心配すると同時に(一応)私と同じ生き物の人間が、これを解明して、これから一体どうなるのかも考えて、多分少しは明らかにできるのかと思うと、なんだかすごいなぁと感心してしまいます。ここまで地球を知らないうちに追い込んだ(?)のも人間で。でもその原因を明らかにして、今後の予測と対策ができるのも人間で。凄いのか何なのか、人間。不思議ですねえ。人類じゃない気分になってしまいます。

と、これを書いていて思い出したのですが、最後の感想↑父が似た様な事を何度か前から言ってました...知らない間に受け売り感..

寒いといえば、感心しそうなほど寒い日に、外で鼻から思いっきり空気を吸い込んだ時の感じが、なんだか私は大分好きです。というわけで、明日あたり、外で思いっきり鼻から息吸ってみてください。(何のおすすめなんですかね)

オチのない話ですみません。

寒いし寝ましょ。笑

おしまい❄️ 

NYTより まるくまるく のお話

こんにちは!

次は!次回は!The Atlanticから紹介するので(誰に謝っているのかという感じもするのですが)、今回もThe New York Timesから、Joan Engel Bromwichさん著こちら↓の記事の紹介です。

www.nytimes.com

紹介: 

もしメッセージアプリの文面が、

角張った吹き出しに囲まれてたらどう思いますか?

「いやいやそんな気にしないよ〜」という方もいらっしゃるかもしれませんが、LINEにfacebook messengerに、iphoneなら最初から入っているメッセージアプリにskypeにWhatsAppに、これらのアプリの文面を囲む吹き出しって、角張ってないんですよね...!

丸っこいんです!

はたしてこれは一体なぜなのか?当たり前だと思っている、すっかり馴染んだ日常のデザインの不思議について書かれた、なかなか「へーっ!」となる記事です。

ぜひぜひ読んでみてくださいな:D 

単語のお話: 

comic strip n.comp. (新聞などに掲載される)コミックストリップ 続き漫画

frazzle 他動、自動 (...を/が)すり減らす すり減る

    n. すり減った状態/物 すっかり焼けた/疲れ切った状態

jagged adj. ぎざぎざのある とがった

negative space n.comp. ネガティブスペース

           (デッザンやデザインなどの背景に当たる空白のこと)

connotation n.u.c. (正式)(語や事の)言外の意味 含蓄

...connotationって、多分前も書いた気がします..あれ..?

 

どうなんでしょうね。

実験的に、世界中のメッセージアプリの吹き出しデザインを全部角張った物に変更したら、どうなるんでしょうね?喧嘩が増えたり攻撃的になったり、誤解が生じたり、やっぱり色々な問題が起きたりするんでしょうかね?ちょっと怖いですが、面白そう←

それとも、実はそういう過去があったから、まるくまるくなったんでしょうか?

「メッセージアプリの吹き出しデザインの歴史」とか誰か書いてないかなー?

 

というわけで今回はここまで!

おしまい⛄️

 

NYTより 彼女を知ってる? のお話

こんばんは!かつ丼です!

今回もおなじみThe New York Timesから、Cade MetzさんとKeith Collinsさん著の、こちらの記事を紹介させて頂こうと思います。

www.nytimes.com

いやほんと、ニューヨークタイムズからばっかりじゃねーか!という声が聞こえてきそうですが、それだけ面白いんです!!!!ということで許してくださいな:) 

紹介: 

突然ですが、上の埋め込みリンクに写っている画像の女性、誰だか知ってますか?なんだか女優さんにいたような、どこかで見たような。

しかしこの女性、誰でもないんです。実在しないんです。

実在しないなら、どうしてこんな画像があるのか?どんな技術で作られているのか?そして、用いられている技術の今後のポジティブ、ネガティブ両方の可能性とは?ついて書かれた、非常に面白い記事です。

めっちゃ怖いクイズもあるので、ぜひぜひ読みながら挑戦してみてくださいな!

単語のお話 : 

☆place 

under development 句 開発中の 研究開発中の

equally ad. 同様に とはいうものの さらに

breed n.(通例人為的に作られた動植物の)品種 種類

generative adversarial networks, GANs n.comp. 敵対的生成ネットワーク

☆doctor 

onus n. (正式)(the..)重荷 負担 責任 義務

arms race n.comp. 軍拡競争

 

「どうした。簡単な単語に☆マークなんてつけ出して?」

と思われたかもですが、違うんです...! めっちゃ面白い意味で使っているから、リストでさらっとじゃなく別に書きたくて、☆をつけたんです..!というわけで、

☆「場所」じゃないplace 

記事の中で使われているplaceは、名詞ではなく他動詞として、「(人や物)が何/誰であるかを見極める、..を思い出す」という意味で使われているみたいです。

ちなみにこの意味で使う場合、通例疑問文や否定文で用いるそうです。要注意ですね!

☆「医者」じゃないdoctor 

こちらも、記事の中では名詞ではなく他動詞として、「(書類や内容など)を不正に変える、改ざんする」という意味で使われているみたいです。

ちなみに、doctorという単語には他動詞として他にも

「(飲食物)に(毒物やウィスキーなど)を混ぜる」

「(犬や猫)を去勢する」

「を(応急処置として)治療する」「(医者ではないが)...の手当てをする」

といった意味があるそうです。面白いねえ。

ぱっと見意味を知っている単語でも、「あれ?この位置って動詞じゃね?」とか、今私の親指と小指を地味に痛めつけている、ささくれみたいな小さな違和感(?)をスルーしないで調べると、こんな面白いことがあるもので。ある単語の意味を完全に知っているなんて言うには、ひたすらほど遠いです... 辛面白いわー😇

しかしまぁ「敵対的生成ネットワーク」て名前、かっこいいですね...!

感想の薄さはさておき、今回はここまでです。

おしまい⛄️

NYTより「2017年は最上の年?」のお話

こんばんは!

今回もおなじみThe New York Timesから、Nicolas Kristofさん著のこちらの記事を紹介させて頂きます!

www.nytimes.com

紹介:

突然ですが、去年はどんな年だったと感じてますか?トランプ氏が大統領になって、北朝鮮は何度もミサイル実験を行って、テロも戦争も起きてなどなど。テレビや新聞のニュースを見るほど、不安で暗澹とした気分になったのは、私だけではないのではないかと思います。読んでくださっている方の身の回りでも、色々あったことと思います。

しかしそんな2017年、人間の歴史という観点からみれば、実は最上の年だったみたいなのです。

「...何言ってんだ?」と思ったかもしれません。(私もこの記事のタイトルを見た時、そうでした←) それでも、先ほどの書いた事に、そしてこの記事のタイトルに「???」と思った方、「皮肉かな?」と思った方、「冗談か??」と思った方、ぜひぜひ!まずは、元の記事の方を読んでみてくださいな:) 

単語のお話:

disfigure 他動 の外観/形状/美観を損なう / ...の価値/効力を損なう を傷つける

leprosy固n. (病名) ハンセン病

trachoma 固n. (病名) トラコーマ

ailement  n.c. (通例軽い、または慢性的な)病気 不快

backwardness n.u. 後進性 しりごみ

pea soup (fog) n. 黄色の濃霧

stifling adj. 息がつまるほど暑い 息苦しい 窮屈な 重苦しい

bemoan 他動 を嘆き悲しむ を不満に思う をぼやく

aphorism n.c. 金言 格言 アフォリズム 警句

increasingly ad. いよいよさらに

 

というわけで、「そっかぁ。ニュースってそうだもんなぁ。」と、ハッとさせてくれる大変面白い記事ですので、ぜひぜひ読んでみてください:) 

おしまい⛄️

 

【バカロレア哲学】模範回答(まとめ)

こんばんは!

突然ですが、これまでのバカロレア哲学試験の解答の鍵と模範解答の訳をまとめた記事を書こうと思います。新しく翻訳するごとに記事を書くのもいいと思うのですが、まとめたものも作った方が、読みやすいんじゃないか?ということで!

 

2016年度科学系バカロレア哲学科目

問題:Travailler moins, est-ce vivre mieux? 

「より短い時間働けば、より良く生きられるのか?」

 

■ 論題の定義付け

「より短い時間働く」とは

・「働く」という語は、「拷問の道具」を意味するラテン語に由来している。そして、それを語源とする「労働」という単語は、「人間の必要を満たすために、物事をより便利になるように変える全ての活動」を意味している。また、語源であるラテン語は、努力と困難、また労働によりもたらされる苦しみを表している。

・この広い意味での定義は、極めて限定的である社会的な定義とは異なる。社会的な定義では、「働く」とは「報酬がともなう、またはもたらされる職業または雇用」を意味している。

・「より少なく働く」ということは、「より短い時間働く」ということであり、量的な観点から労働を捉えるということである。

 

「より良く生きる」とは

・「生きる」とは単に生き延びること、つまり生物学的な生命活動とは異なる。「生きる」ということは、ただ単に生命を維持し、それを可能な限り伸ばすということではない。質的な観点から、生きるということを考える必要がある。

・「より良く生きる」という表現は「より」という比較表現を含んでいる。 私たちがより少なく働いたとして、何をもって私たちの生活はより良くなっているといえるのだろうか?良い人生の基準とは何なのだろう?

 

■ 問題提起を明確にして、構成を組み立てる

問題提起

・労働の質と人生の質の関係こそが、このテーマによって問いかけられている問題であり、問題提起はこの部分から生じている。

・労働と人生は互いに相容れないのか、それとも両者は両立することができるのかということが問題提起に当たるからである。

 私たちが働くことに費やす時間は、生物として生きるのに必要なことのために犠牲にしている時間に過ぎず、より良く生きるためにはできる限りこの時間を短くしなければならないのだろうか?

 しかし、何をもって労働の時間は人生に含まれない時間、または悪い人生を送っている時間となるのだろうか?働いている時間は、自己実現のために役に立たないのだろうか?

もしそうでないとしたら、人生において労働時間を減らすことは、どのような点で私たちをより幸福に、またはより自由にするのだろうか?

 

解答の構成

・まずはじめに、より良く生きるためには必ず働かないといけないのかを検討しよう。労働は人間の本質ではないのだろうか?

・次に、人間的な生活を送るためには、なぜ労働時間を減らさないといけないのか?ということについて検討しよう。

・そして最後に、より良く生きるということについて考える時、なぜ私たちは労働と人生を分けて考えることを拒否するのか?について検討しよう。

 

気をつけるべきポイント

「労働」という言葉の定義を、社会的な定義だけに限定しないよう気をつけよう。この問題は、「労働」をより広い意味で検討するよう問いかけているのだ。

 

             (以下模範回答) 

【イントロダクション】

 ここでは、労働の量と我々の人生の質の関係について論じていく。

 「働けば自由になれる」アウシュビッツ収容所の門には、この標語が掲げられていた。

 しかし、本当に働けば良い人生が待っているのだろうか?

 「労働」とは、自己の成長につながる努力を伴いながら、自分自身の外に存在するものを変えていく行為である。今日の労働は「生産的な労働」と呼ばれており、生産性の向上を目的とした分業によって成り立っている。

 生きるとは、ただ単に生き延びることではない。生きるとは、良い人生を送ることであり、人生を質的な観点から捉える必要がある。

  しかし、何を持って我々の労働時間は、我々がより良く生きることを妨げているといえるのだろうか?我々が労働に費やす時間は、人生に含まれない時間なのだろうか?あるいは、「悪い」人生を送っている時間なのだろうか?労働に費やす時間を減らすことで、我々の人生は良くなるのだろうか?それとも、労働の量と労働に対する我々の要求の度合いを変えた先に、より良い人生があるのだろうか?

 ここでは、このことを明らかにするよう問いが投げられている。

 以上のことから、まずはじめに、より良く生きるためには必ずしも働かなければならないのか?つまり、労働は人間の本質ではないのか、ということについて考察する。

  次に、人間的に生きるということを目的とした場合、なぜ労働時間を減らすことに繋がるのか、ということについて検討する。

 そして最後に、より良く生きるということについて考える時、なぜ我々は労働と人生を分けて考えることを拒否するのか、その理由について考察する。

 

【本論】

1. 働くとは、つまりより良く生きることである。

  A. なぜなら、生きるためには働かなくてはならないからである。

 まずはじめに、より良く生きるためには、より長い時間働く必要があると考えることができる。これは、社会的及び生きるために必要不可欠な欲求を満たすための能力と豊かさによって、我々の人生の質は決められるからである。

 我々の人生の質を快適さとした場合、より長い時間働き、より多くの収入を得るほど、労働の時間の外で「快適な人生」に近くことができると考えられる。 

 しかしながら、労働によって手にいれる収入は、労働に費やす時間とは全く関係がないと言わざるをえない。

 しかしその一方で、より長い時間働きその分自由な時間を減らしている人は、より長く自由な時間を持つ人以上に、より良く生きていると言えるのだろうか?人生の質は、プライベートな時間を犠牲にしているという自己満足と、混同されなくてはならないのだろうか?

 B. なぜなら、労働とは人間の本質だからである。

 実際には、「良い人生」の定義を検討する必要がある。

 労働の時間外でしか享受できない人生とは一体何なのだろうか?労働が「良い人生」の条件とされた場合、良い人生というのは金銭的に贅沢なものではなく、人間的なものでなくてはならない。これは、マルクスが著書『資本論』の中で「労働は人間の本質である」と書いていたとおりである。

 労働が人生を捧げることに値するとすれば、それはただ単に生物学な生を全うすることから抜け出し、人間らしく生きる場合に限るのである。人間的な能力を発展させながら、労働を通じ努力と創造性を手にすることで、我々は自らの外と内に存在する自然に立ち向かい、より人間らしくなっていくのだ。

 言い換えると、より長時間働くほど、我々は動物的な生活から遠ざかり、より人間らしくなるのだと言える。労働とは、働きたいという欲求、すなわち人間の本質を実現したいという欲求を満たす行為なのだ。

 

【展開】

しかし、もし労働が良い、あるいは人間的な人生であるなら、マルクスの『経済学・哲学草稿』(1844)の中の「物理的またはその他の制約がなくなったとき、労働は疫病神のように恐れられる」という記述は、どのように説明することができるだろうか?

Annabac 2017 Philosophie (c) éditions Hatier, France より

というわけで今後は

・新しい更新分の記事

・まとめ記事の更新

の両方を並行して書いていきたいと思います✨

 こちらの方が読みやすいかなぁ?と思って実験的なのですが。

今後も宜しくお願いします!✨

つづく🎍