【本の話】 モスクワ!

 

お久しぶりです!またまた前回の更新から日が空いてしまいました!

というのも、この数週間の間というもの、時間があればモスクワにおりまして...そうです、ロシアのモスクワ。喫茶店の名前にありそうですが、都市の方のモスクワです。

まあまあしょうもない冗談はさておき、久しぶりに本のお話!今回はこちらの本↓ A Gentleman in Moscow、邦題は「モスクワの伯爵」についてです。

A Gentleman in Moscow

A Gentleman in Moscow

 
モスクワの伯爵

モスクワの伯爵

 

さてさて。

物語の舞台は、1920年代から1950年代のモスクワ。ロシア革命の勃発後、主人公のロストフ伯爵は、革命政府から彼がそれまで1人で住んでいた高級ホテル「メトロポール」での生涯の軟禁刑を言い渡されます。一歩でもホテルから出れば、銃殺。それに加え、ホテルでの軟禁といってもそれまで住んでいたスイートから、屋根裏の狭い部屋に強制的に引越しさせられてしまうのです。

両親も兄弟も妻も子もなく、唯一の家族である祖母のフランス亡命を助けたのち軟禁された主人公。

メトロポールで生きる伯爵の前に、ホテルで働く様々な従業員の方や滞在中の子供から大人、そして昔からの友人といった魅力的な人物が、約30年の間次々と、少しずつ時には見分けもつかないほど大きく変化しながら何度となく現れてはまた去っていく。この一人一人とのエピソードが、時に微笑ましく、時に笑えて、かと思えばヒヤヒヤヒリヒリしたり、と思えば思わず「ワーオ」と言ってにやけてしまったり。「実はどんよりとした重たい話かなあ」と心配していらのですが、全くそんなことはなく。それよりむしろ、伯爵と伯爵の人生に飛び込んできた人々との万華鏡みたいなお話です。 

 

そしてそして、約30年にわたる伯爵の軟禁生活は一体どういう終わりを迎えるのか?!最後の数章は絶対に絶対に、夜中に読み始めないことを強くお勧めします。気になってやむなし朝5時まで起きて最後まで読んだ私が強くお勧めします。ほんとうに!

 

本屋さんの新刊コーナーで、一番上の棚、私の手がギリギリ届かない高さに陳列してあったこちらの本。背表紙に一目惚れして手に取ってもう。日本語訳が3800円というお値段に怖気付いて数日間悩んだ末、どうしても読みたくて英語版を買ってしまいました。(すいません本屋さんすいません..涙)

つま先からつむじまで41度のお湯に浸かっているようだった梅雨が明けるまでの間、この本を開くたびに涼しいモスクワの、しかもなかなかに素敵なホテルで過ごすことができたような気分になれました:D! 

この照り照りでしゅわっと蒸発してしまいそうな夏、この本片手にせめて1日のほんの少しの間でもモスクワはメトロポールに行ってみてはどうでしょうか!

というわけで、「モスクワの伯爵」ぜひ読んでみてくださいな:) 

 

おしまい📚