【本の話】「とりかえばや物語」とちょっとフランス語 のお話

こんばんは:) 

というわけで、今回のどうでもいい話は今年1月から続いている古典マイブームより「とりかえばや物語」です。あと、珍しく最後の方に語学関係のことも足してみました! 

「古典マイブーム」

さてさて、今年の1月16日に書きました「突然の古典マイブーム」のお話。高校の頃は、赤点しかとっていなかった古典。

それが、今年の初めにブックオフで気まぐれに買った 角川文庫 ビギナーズクラシックシリーズの「枕草子」を読んでから、突如マイブームが来まして。以降、源氏物語伊勢物語徒然草蜻蛉日記百人一首紫式部日記和泉式部日記と芋づる式に読んでいます。珍しく長いマイブームとして続いています。

とりかえばや物語

同シリーズで一番最近読んだのが、「とりかえばや物語」でして。これまで枕草子和泉式部日記が同じくらい一番好きだったのですが、これを読んで以降、これが突如ダントツ1位で好きになってしまいました。最高!

恐ろしく人見知りで大人しい、おっとりした息子と、めっちゃ活発で、当時男性が学ぶものとされていた漢詩?がめっちゃ得意な娘を、父親が「とりかえばや!(: 性別が逆だったらいいのに!)」というわけで、実際に逆にして生活させることにする、というのが話のスタートです。なんという豪快な設定。

その後、娘の方は男として着々と昇進して権力を握るわけなのですが、これが実に「ベルサイユのばら」のオスカルという感じです。もちろん、平安時代に書かれた「とりかえばや」の方が先ですけど。

ビギナーズクラシックでは、この物語の一部が、前書き▶︎現代語訳▶︎原文▶︎解説・おまけの順で書かれているのですが、「とりかえばや物語」は元の原文の表現がなんとも素敵。読んでいて「わーおっ!!!!!!」って言ってしまいます。

あと、現代語訳がなんというか、全く訳に不自然さを感じさせなくて個人的に完璧な訳だと思います

その上、主人公の2人が、「男らしら」「女らしさ」に疑問を感じて、生きづらく思うと同時に「自分らしさ」について悩むところなんて、現代にも通じるようなところもあるような感じがします。

最後の解説では、物語の著者や書かれた年代の謎の他に、著者?解説者?である鈴木裕子さんの、「とりかえばや物語」に出会ったきっかけについても書かれています。偶然本屋さんでこの本に出会った作者んさんの行動が、可愛いったらないエピソードです。

 フランス語と「とりかえばや物語」のお話

いちおう「しゃくとり語学むし」なので、語学を混ぜないと、というわけで。笑 

この「とりかえばや物語」、英語ではThe Changelings、フランス語ではRenee Gardeさん訳でSi on les echangeaitというタイトルに訳されているみたいです。

Q.echangeaitが直接法半過去形なのはなんで??

ある動作や状態が過去において継続的に行われていたことを示すのが、直接法の半過去形なのですが、はて?なんでここで使われているのか??

目黒士門先生著の「現代フランス広文典」の直接法半過去に、答えがありましたとも!

注2 描写の時制

半過去は動作・状態の継続を表すので、すぐれて描写に適している。小説や物語では筋をなす事件を述べるのに単純過去を用い、事件の背景や状況、登場人物の心理などの描写に半過去を用いることが多い。とくに、物語の導入部や叙景分では半過去が用いられる。

目黒士門「現代フランス広文典」255ページ

 というわけで、「性別とりかえられたらなあ!」という父親という登場人物の心理描写なので、半過去形が使われているみたいですね。目黒先生ありがとうございます!!

ちなみに、イギリスとアメリカのアマゾンでは扱いがなかったのですが、じゃん!フランス版アマゾンでは売ってました!kidlneは17.99ユーロ、本は26ユーロです:D  

www.amazon.fr

外国語訳の日本の古典て、どうしてこうも表紙のデザインがどうしようもなく綺麗なんでしょうね。読めないけど、買いたくなってしまうので困ります笑  

東京の飯田橋にあるフランス語書籍専門の本屋さんに、フランス語版の源氏物語 Le Dit du Genjiが置いてあるのですが、この表紙もね〜最高です。棚の上の方に置いてあるので、背が届かなくて手に取ったことがないのですが。笑

というわけで、大変長くなりましたが、「とりかえばや物語」、ビギナーズクラシックシーリーズでも、英語でもフランス語でも、ぜひぜひ読んでみてくださいなー:D 

鈴木裕子さん、目黒士門さん、Renee Gardeさんありがとうございます!😆

おわりっ